| 審査請求ID | 都道府県 | 裁決日 | 要旨 | 裁決書DL |
|---|---|---|---|---|
| 7309 | 千葉県 | 2022-05-13 | 【法63条返還と自立更生費の考慮】「本件処分には、過払額の認定に過誤があり、また、請求人世帯の自立更生費や、(保護廃止後の)請求人世帯の今後の生活設計等から判断して当該世帯の自立更生のために必要な費用の有無についての考慮がなされているものとは言えず、その判断過程に瑕疵が認められる」 | ダウンロード |
| 7310 | 千葉県 | 2022-05-30 | 【法63条自立更生費の説明なしの全額返還請求】障害年金の遡及受給に関して、処分庁は自立更生費の説明をした事実なく、一方で生活保護制度に精通しているわけではない請求人は自立更生費の説明がなければ処分庁に事前の相談はなしえない。「本件処分は請求人に対して自立更生費の有無について主張する機会を与えることなく行われたに等しく、処分庁の判断過程は合理性を欠くものであって、その判断は、社会通念に照らし著しく妥当性を欠く」 | ダウンロード |
| 7312 | 千葉県 | 2022-09-12 | 【実質的にホームレス状態からの保護申請と住宅扶助】実質的にホームレス状態の請求人が一時的に所在する家賃不要の民間シェルターからの保護申請を、住宅扶助を計上することなく要保護状態ではないとして却下した原処分について、公営住宅やアパートでの保護を検討すべきであり、敷金等の説明をすべきであったとし、また住居を確保すれば要保護状態であったことも考慮し原処分を取り消した。 | ダウンロード |
| 7313 | 千葉県 | 2022-11-21 | 【検診命令不服従を理由とする保護申請却下】検診日が命令日から中3日しかない等の理由で、請求人が受診しない可能性があった。さらに申請時、請求人は急迫状態ではないとしても困窮状態であった。検診命令不服従による申請却下は却下する「必要がある」場合とされており、単に本件命令だけに従わなかっただけで判断するのではなく「再度、他の医療機関における検診命令を行うこと等の方法により、病状や稼働能力についての判断を行うことも検討すべきであった」として申請却下処分と取り消した(行政不服審査会による変更)。 | ダウンロード |
| 7314 | 千葉県 | 2023-03-24 | 【保護申請時における医療移送費の説明義務。理由付記】(一般市民にはどのような費用が最低生活費として計上されるかわかりづらく)「処分庁は、請求人世帯において医療移送費が発生している可能性があることを容易に認識しえたのであるから、、医療移送費について、請求人に対して説明をし、挙証資料の提出を求めた上でその有無を検討すべきであった」(医療移送費の有無によって保護の要否判定が覆る可能性もあったことも加味)。理由付記の不備も認定。 | ダウンロード |
| 7319 | 千葉県 | 2023-03-30 | 【保護費減額(基準改定)】本件処分は、改定された保護の基準を機械的に適用することで平成30年度基準どおりの保護変更決定を行うものであるが、決定通知書には保護を変更した旨の記載はあるものの、どの種類の保護が変更されたかは示されておらず、また変更の理由についても「基準改定」との記載はあるものの、保護の変更の具体的な要因や処分の根拠法条は示されておらず、理由付記が十分でないため、取消す。 | ダウンロード |
| 7320 | 千葉県 | 2023-04-25 | 【障害者加算の過支給調整のための収入認定(法第80条に基づく免除)】本件各処分は、誤った障害者加算額の計上を遡及して変更したうえで、過大支給分の保護費を収入認定のうえ、以後に支給される保護費を減額して調整するものであるが、このうち後者の処分については、厚生労働省通知が示す、法80条を適用すべき事情の有無についての調査及び検討が不十分であるうえに、処分決定通知書における理由記載が不十分であるため違法な処分であり、取消す。 | ダウンロード |
| 7321 | 千葉県 | 2023-04-25 | 【精神障害者手帳1級、障害年金2級の場合の加算にかかる年金優先運用によって生じた過誤支給と63条返還における自立更生費】実施機関の過誤による過払分保護費に対する法第63条による返還請求額の決定に際しては、自立更生費の控除だけでなく、被保護者の生活実態や過払分保護費の使途についても調査を行い、返還自体が生活に与える影響を具体的に検討のうえ返還額を決定すべきだが、原処分は検討が行われておらず違法な点が認められるため、取消す。 | ダウンロード |
| 7322 | 千葉県 | 2023-05-30 | 【法63条返還(分割返還における自立助長への配慮)】法第63条による返還額の決定に際しては、分割返還を見越したとしても、世帯の自立助長への影響を慎重に検討することが不可欠であるが、本件処分では請求人の預金残高が徐々に減少し、また直ちに請求人が稼働収入を得られるとは考え難い状況にもかかわらず、返還による請求人世帯の自立への阻害有無についての検討が不十分なため、処分の前提となる具体的な事実の基礎を欠き、考慮すべき事情が考慮されておらず瑕疵があるため、取消す。 | ダウンロード |
| 7323 | 千葉県 | 2023-08-01 | 【世帯としての要保護性の確認義務】原処分は、局長通知第1-2-(2)(転入)による世帯分離の適用可否に際して必要とされる、世帯員全員の資産、収支状況を調査したうえでの世帯全体の要保護性の確認を行わずに保護申請を却下しており、また行政手続法第8条1項及び法第24条第4項に定める決定通知書への処分理由記載も不十分であり、違法であるため処分を取消す。 | ダウンロード |
| 7328 | 千葉県 | 2024-01-23 | 【保護廃止における実施機関の調査・説明義務の範囲】法第28条5項による保護の廃止は、虚偽の報告をした場合に直ちに行うのではなく、被保護者に調査の必要性を説明し、あるいは指導指示により的確に状況を把握するための所要の措置を講じ、それでも正当な理由なく報告が行われない等、廃止について相当の理由があるときに行うべきであり、しかも、保護の廃止という重大な処分である以上被保護者の生活への影響を具体的に検討する必要があるにもかかわらず、資産状況の調査や保護廃止による被保護者の生活への影響への検討が不十分であり、違法又は不当であるため取消す。 | ダウンロード |
| 7329 | 千葉県 | 2024-01-23 | 【虚偽申告と法第63条返還】本件処分は、虚偽申告(居住地や世帯構成等について事実と異なる申告)のみを理由に法第63条に基づく生活保護費の返還請求を行っているが、法第63条の要件該当性や被保護者の資産、収入の状況、受けた金品の使用状況、生活実態、当該地域の実情等の諸事情を判断の過程において考慮せず、また法第63条において行うべき自立更生費の検討がされておらず、違法又は不当であるため取り消す。 | ダウンロード |
| 7335 | 東京都 | 2022-04-21 | 【障害年金と社会保険労務士への報酬】社会保険労務士に依頼して障害年金の支給がなされるようになった際に、63条返還額を決定する際に社会保険労務士の報酬を過去の債務と同視して必要経費として認めなかった決定を「請求人が本件裁定請求を行う際には、社会福祉に精通する専門家による支援を受ける必要性が高い状況にあったというべきであるから、本件裁定請求に係る代理業務を行った社会保険労務士に支払うべき費用については、受給資格を証明するために必要とした費用として認定するのが相当」として取り消す。 | ダウンロード |
| 7340 | 神奈川県 | 2022-08-02 | 【生命保険(真の契約者)】離婚を前提に別居した妻からの保護を開始したが、保護開始後に妻名義の口座に妻名義の生命保険の解釈返戻金が振り込まれたことと、保護を廃止してほしいと希望したことを理由に保護廃止したことについての審査請求で、生命保険の真の契約者は請求人ではなく、解約返金金は資産とは認められないとした裁決。 | ダウンロード |
| 7341 | 神奈川県 | 2022-08-24 | 【色弱用の眼鏡(色覚眼鏡)の支給の可否。他法活用。特別基準】医療局長通知に列挙された眼鏡について、障害者総合支援法は当該場面で法に優先して活用されるべき典型的な他法を示しているに過ぎない。、特段の関係通知がなく実施機関の裁量により、法により保障される最 低生活の内容を具体的に判断しなければならない場面では、既に医療局長通知等の関係通 知により詳細な取扱いが定められている場合であるのに、さらに個別の実施機関の実質的な限定解釈により、被保護者の受けうる保護の内容を他法での支援の内容に狭めることが許容されない。また、主治医、嘱託医も必要性を認めており、「色覚眼鏡については「治療等の一環としてこれを必要とする真にやむを得ない事由が認められる場合」に該当するものであるとして原処分を取消す。 | ダウンロード |
| 7342 | 神奈川県 | 2022-10-20 | 【災害見舞金150万円の未申告と不正受給】台風被害により受け取った災害見舞金150万円を申告しなかったとして不正受給と判断され78条徴収決定された事案の再審査請求裁決で、処分庁は被害による特別需要があることがわかっていたのに生活保護による対応をした経過は見当たらず自立更生のための費用を収入認定除外すべきものの十分想定されるにもかかわらず漫然と不正受給と評価したことは違法、不当と判断。 | ダウンロード |
| 7343 | 神奈川県 | 2022-12-22 | 【自動車等に関する指導指示違反廃止】本件処分は、[I] 本件指示によって設定された義務の違反を理由とするものであるところ、①そもそも、法第27条第1項に基づく本件指示を行う前提を欠いている点、②本件指示の内容はいずれも違法ないし不当なものと解され点、本件指示の内容として特定し得る「本件電気原動機付4輪車について、1か月以内に任意保険に加入すること」では、法第62条第3項に基づく保護廃止を行うべき指示事項の不履行が認められない点(課11問1の「比較的軽微」な指導であり違反しても廃止はできない)、本件処分を行うに伴って必要となる所定の手続等 ( 弁明の機会の付与・不利益処分の理由付記)が、適正に履践されたと評価し得ない点において、違法ないし不当なものであると言わざるを得ない。 | ダウンロード |
| 7344 | 神奈川県 | 2023-03-22 | 【転居に伴う現状回復費用の認定等】転居に伴う現状回復費用につき、別問7-117に照らし、浴室洗浄費用 5,500円を認めるべきとし、その他戻金等の収入認定に関する誤りを指摘し原処分を取消す。 | ダウンロード |
| 7350 | 石川県 | 2023-03-20 | 【法63条と交通事故の損害賠償債権にかかる法76条の2による代位取得】交通事故の損害賠償金に対し、症状固定日後の医療費等などにつき、生活保護法第63条による費用返還額決定処分が行われたところ、処分庁は、処分における要返還額を算定するにあたり、「生活保護制度における第三者行為求償事務について」に記載された条件により、症状固定日後の医療費等に係る損害賠償請求権が処分庁に移っているか否かを確認すべきであったにもかかわらず、それを怠ったことなどを理由として違法であるとして、取消しが認められた事例。 | ダウンロード |
| 7355 | 静岡県 | 2020-08-11 | 【交通事故の後遺障害の資力発生日】交通事故の自賠責保険の後遺障害分を返還の対象とした点について、①請求人が生活保護を受給していた期間において資力は発生していないから、本件支払金に関しては、処分庁が請求人に返還を求めることはできず、②返還額からの自立更生費の控除について、十分な調査及び検討がなされず決定された本件処分は、合理性があるものとは認められず、③通知において、費用返還義務が生じた理由や、資力の発生時期、資力の額及び返還対象となる保護費の支弁額について何ら記載がなく、不利益処分の理由の付記として、不十分であるから、違法ないし不当であるとして取り消された裁決。 | ダウンロード |
| 7358 | 静岡県 | 2021-02-08 | 【介護老人保健施設に入所している審査請求人と、自宅に居住する長女との世帯同一性】両人が同一世帯であるとして、法28条第5項の規定に基づき、長女の調査忌避を理由に保護申請を却下した処分は、請求人が介護老人保健施設に入所している事実を形式的に局長通知第1の1(5)に当てはめ、あるいは過度に重視したものといわざるを得ず、処分庁の判断は法及び局長通知の趣旨を踏まえたものとはいえず、違法であるとして、取り消された事例。 | ダウンロード |
| 7359 | 静岡県 | 2021-05-26 | 【不作為の違法が認められた事例】生活保護申請を行ったにもかかわらず、不作為庁が決定を行わないという事例につき、不作為庁は、法第24条第3項及び第4項に基づき、保護の要否、種類、程度及び方法を決定し、書面をもって請求人に通知するべきにもかかわらず、理由なく当該通知をしていないことから、本件不作為は違法であり、行政不服審査法第49条第3項により、本件審査請求に係る不作為は違法であると判断された事例。 | ダウンロード |
| 7361 | 静岡県 | 2022-06-20 | 【居住地喪失による保護廃止の可否】審査請求人が処分庁の所管区域外に転出したとして、法26条に基づき保護廃止処分がなされた事案につき、処分庁は、法第26条に基づく保護廃止決定処分を行うに当たって、法第25条第2項に基づく必要な調査義務を十分に果たしておらず、居住地を失ったことのみをもって「保護を必要としなくなつた」と判断することはできないとして、取り消された事例。 | ダウンロード |
| 7363 | 愛知県 | 2023-02-15 | 【算定誤りによる保護廃止後の法63条返還】障害年金の受給開始に伴って、公営住宅の減免を前提に保護を廃止したが、減免手続きの説明の懈怠によって審査請求人が減免手続きを行えず算定誤りが生じ、年金受給によって過支給となった保護費の返還決定において家賃差額分のみ自立更生費として控除した処分につき、その後の年金から決定額を返還した場合に最低生活費を下回ることが想定されるため違法な処分であるとして処分が取り消された。 | ダウンロード |
| 7365 | 愛知県 | 2023-09-05 | 【国民年金法69条(自傷行為の場合)の給付制限と障害者加算】年金の納付要件を満たさず年金を受給できない請求人にも、国民年金法69条による給付制限が該当する場合には障害者加算は支給できないとしてそれまで支給されていた障害者加算を削除した原処分につき、関係通知に反する取扱いであり不当であるとして処分が取り消された。 | ダウンロード |
| 7366 | 愛知県 | 2024-03-05 | 【通院交通費の要否判定】自家用車での通院を要する旨の診断書を付してなされたガソリン代の支給申請を却下した処分につき、診断書と医師の意見の相違について処分庁が同医師その他の医学的知見を有する者への確認、協議等を行った事実を認めることはできない。そうすると、処分庁において十分な根拠をもって、十分な検討がなされているとはいえない。要領の規定に基づき十分な根拠をもって十分な検討がなされたとは言えないとして処分が取り消された。 | ダウンロード |
| 7367 | 三重県 | 2021-10-27 | 【通院交通費の要否判定】通院に要するタクシー代を考慮することなく収入が最低生活費を上回るとして保護申請を却下した処分につき、89歳という年齢、最寄り駅までの所要時間、町営バスの本数を踏まえ、タクシーの利用を認めなかったのは合理性を欠いており、タクシー代を加えると保護の開始が必要となる可能性があるとして処分が取り消された。 | ダウンロード |
| 7370 | 三重県 | 2022-08-18 | 【紛失した保護費の再支給と調査義務】紛失した保護費の再支給申請を却下した処分につき、本件処分に先立ち、審査請求人に手持ち金保有により申請を却下する旨を伝えると、審査請求人は特別給付金を既に使用した旨説明している。処分庁は、書面で本件処分を通知するにあたっては、審査請求人の主張を改めて調査する必要があったと考えられ、それを十分に行わず、本件処分を通知したことは、処分庁が必要な調査義務を十分に果たしていない。本件処分は違法と判断せざるを得ない。 | ダウンロード |
| 7378 | 三重県 | 2023-11-21 | 【年金額変更に伴う過支給分の収入充当】年金額の変更に関する申告書が提出されていたにもかかわらず、保護費の変更が行われず、過支給が生じ、その過支給分を一括で収入充当してなされた減額処分につき、本件の経緯に照らしてより一層丁寧な説明と十分な調査が求められるとしたうえで、審査請求人の事情を十分考慮したとは言えず不当であるとして、処分が取り消された。 | ダウンロード |
| 7381 | 京都府 | 2019-07-31 | 【過払いとなった保護費の63条全額返還・請求人に知的障害がある場合】同一世帯で保護を受けていた高齢の亡母が受給していた特別障害者手当について、収入認定されていなかったとして63全額返還となったが、知的障害のある請求人が収入申告をしたり自立更生控除の申し立てをするのは困難であったのであるから、実施機関は自立更生費の有無を含め、請求人世帯に寄り添った支援をするよう努めることが期待されたところ、請求人世帯の自立更生費の有無について調査・検討することなく、他の被保護世帯等との公平性の観点から自立更生費等の特別な控除を認めることが適当でないとして、全額返還を求めることとした本件処分は、自立更生費の控除についての判断要素の選択や判断過程に合理性を欠いているとして原処分を取消した。 | ダウンロード |
| 7382 | 大阪府 | 2022-07-31 | 【居住実態なしによる保護廃止と、廃止前の保護受給と78条】(1)居住実態がなかったとして行われた廃止処分及び(2)居住実態が無いと認めた日以後に支払った保護費の78徴収について違法であると訴えたのに対し、裁決は(1)は適法だが、(2)については(ア)処分庁が61条の届け出義務等を十分説明するまでの期間は不正受給とまでは言えない(イ)遡って廃止をしたが、廃止日以後の保護費について78条の対象としたのは違法として判断した。 | ダウンロード |
| 7386 | 大阪府 | 2022-09-27 | 【63条自立更生費(今後の就労のための資格取得費)】未払い賃金の63条自立更生費控除に関し、現在療養中であるが、今後の就労に係る資格試験のための費用の控除は認められるべきであったとして、認めなかった原処分は違法。 | ダウンロード |
| 7387 | 大阪府 | 2022-08-23 | 【保護費が2か月0円という収入認定】処分庁は、給料収入や兄からの仕送り収入を3か月に分割して収入認定しているが、収入を分割して認定する場合は、収入があった月から引き続く6か月で分割するとされているところ、3か月に分割して収入認定するにあたり、請求人の手持金や生活状況を考慮した形跡はなく、保護開始から2カ月もの間、保護費の支給額が0円であったことを踏まえると、処分庁は請求人の困窮状態を考慮せず、収入を機械的に保護開始月から充当したもので本件処分の判断の過程に瑕疵がある。 | ダウンロード |
| 7388 | 大阪府 | 2022-05-24 | 【戸籍とホームレスの保護】戸籍等が判明せず預貯金調査ができないとしてホームレス世帯を却下した原処分につき、戸籍等が分からない場合でも、資力、病状等の調査を十分行わず却下したのは違法(請求人は就籍許可が得られず銀行口座が開設できない状況であった)。 | ダウンロード |
| 7389 | 大阪府 | 2022-05-24 | 【精神保健福祉手帳の等級が2級から3級になったのに過誤計上していた加算額の法63条全額返還】本件処分の判断の過程において考慮すべき事情を考慮せず、請求人の資産や収入の状況、生活実態、過支給となった保護費の使用の実態など検討すべき個別具体の事情についての調査・検討を行っていない点において、返還額の決定に至る過程には瑕疵があると言わざるを得ず、本件処分は取消を免れない。 | ダウンロード |
| 7390 | 大阪府 | 2022-05-20 | 【引き取り扶養を扶養義務者が申し出ていたとして保護申請を却下した処分】 父及び母が引き取るといったとしても、現実には金銭的な援助は確認できないし、処分庁が、父母の扶養を拒むことはできないという制度の趣旨を説明し、説得したという経過もないため却下処分は違法である。 |
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| 7391 | 大阪府 | 2022-06-09 | 【交通事故の示談金受領に係る法63条による医療扶助費10割返還】臨時的な収入があったのは2/14であり、保護廃止日は臨時的な収入のあった日の翌日2/15とすべきで、3/1廃止としたのは誤り。2/15から3/1までの医療費を10割返還を求めたのは違法。 | ダウンロード |
| 7393 | 大阪府 | 2022-06-29 | 【医療移送費の(遡及)支給】申請がいつあったかは確認できないとしつつ、事前に医療移送費の支給の必要性を把握していたのであるから、通院証明書やレセプト等により通院実績等を確認する必要性があったが、処分庁はこれをしていないので手続きにおいて瑕疵がある。 | ダウンロード |
| 7394 | 大阪府 | 2022-07-29 | 【必要最小限ではない文書指示と、停止を経ないいきなり廃止】収入申告を指示したが、収入の内容を処分庁は知悉しており、必要最低限の指示を行ったものではない。いきなり廃止も違法である。 | ダウンロード |
| 7399 | 大阪府 | 2023-02-28 | 【精神障害者手帳の更新失念と過支給となった障害者加算分の収入認定】手帳の更新を失念していたことから障害者加算が2ヶ月分削除され加算分がその後収入充当されて保護費を減らされたケースについて、東京高裁令和元年11月6日判決を根拠に、加算の基礎となる事情の調査不尽等を理由に保護変更処分を取り消した。 | ダウンロード |
| 7400 | 大阪府 | 2023-05-19 | 【転居の際の借入金と63条自立更生費】転居に際して保護費からは支給されなかった解約金をまかなうため親族からした借金が収入扱いになって63条返還がかけられたが、借入金の性質決定や控除額の適用、返還決定における個別事情の考慮など、尽くすべき検討がなされていないとして処分を取り消した事例。 | ダウンロード |
| 7402 | 大阪府 | 2023-05-23 | 【大学進学目的貯蓄の他用途費消と63条返還】長男が、大学進学に向けてアルバイト代を貯蓄し、福祉事務所長からも将来の自立のためになるとしてその保有が容認されていたが、別目的で費消してしまい、多目的への流用とされて63返還がかけられたというケースで、どういう目的でいくらくらいを費消したのか処分庁はきちんと調査検討しておらず返還金の算定についても手続きがしっかりととられていないとして処分を取り消した。 | ダウンロード |
| 7403 | 大阪府 | 2023-05-24 | 【居宅保護希望者への救護施設入所決定】更生施設からの居宅保護への切り替え希望があったにもかかわらず、入所中の規則遵守ができないなどを理由に救護施設への入所決定に切り替えた処分について、居宅保護の原則、請求人の希望、稼働能力の内容、救護施設入所の必要性等についての判断が不十分であり、組織的な検討がなされていないとして処分を取り消したケース。 | ダウンロード |
| 7405 | 大阪府 | 2023-06-06 | 【馬券収入の必要経費】請求人の競馬収入を収入認定対象とし、必要経費の証明がなかったとして全額返還とした処分について、請求人の通帳における記載だけでなく、記録の突合や購入記録の照合など収入となる払戻金の確認が不十分であり、自立控除の検討も十分でないとして取り消したケース。 | ダウンロード |
| 7406 | 大阪府 | 2023-07-21 | 【法63条自立更生費の対象(必要可能性ある家具什器費など)】母親の死亡により受領した60万円弱の保険金について全額63返還とした処分について、自立控除に関する本人からの聴取や必要になる可能性のある家具什器類等についての検討が不十分であるとして処分を取り消したケース。 | ダウンロード |
| 7407 | 大阪府 | 2023-08-18 | 【過去の収入未申告等を理由にした保護再申請却下】過去にあった収入未申告を理由にして、収入状況が明らかでないという理由で再申請を却下した処分について、申請時点を基準に要否を判定すべきであるとし、却下理由がないとして取り消したケース。 | ダウンロード |
| 7408 | 大阪府 | 2023-08-18 | 【通院移送費における新幹線特急料金の必要性】区域外への通院にかかる移送費の支給申請について、新幹線特急料金を除いた在来線運賃のみを認定した処分について、新幹線を除外する判断の根拠、検討が不十分であるとして取り消されたケース。 | ダウンロード |
| 7409 | 大阪府 | 2023-08-18 | 【通院移送費の範囲(新幹線料金。リハビリの必要性等)】区域外に所在する医療機関について、手術やリハビリのために通うとして通院移送費を支給申請したところ、一部については新幹線特急料金を除外し、一部については申請却下した処分について、新幹線特急料金を認めない判断や、リハビリ先として移送費を支給すべきかどうかの判断において十分な検討がなされていないとして処分が取り消されたケース。 | ダウンロード |
| 7413 | 大阪府 | 2023-11-06 | 【法63条と民法703条の適用区分】保護の廃止、変更などに伴い前渡しした保護費を支弁者に返還する義務は、民法第703条より生じることになるとされている。処分庁は、保護の廃止に伴い前渡しした保護金品の返還について、民法703条に基づき返還させるべきところ、法第63条に基づき返還決定を行ったものであり、適用する法律に誤りが認められる。なお、民法703条に基づき、保護の廃止に伴い前渡しした保護費の返還を求める際、その返還額については、法第80条の規定による変換免除の対象となりえることから、令和3年4月1日付廃止以降の保護費を返還させる場合、法第80条の趣旨を踏まえ、慎重に検討すべきである旨付言する。 | ダウンロード |
| 7414 | 大阪府 | 2023-12-13 | 【ネットオークション売上収入の性格】オーデイオスピーカーの売却に伴うネットオークションの売上については、臨時的収入として認定することに不合理な点はなく、処分庁も臨時的収入であると判断していたにもかかわらず、実際には就労収入として認定しているところ、処分庁がどのような根拠に基づき、どのようにして当該判断に至ったかについて、本件事件記録から確認することができず、十分な検討が行われたものと認められないことから、処分庁の判断および判断の過程に瑕疵があると言わざるを得ない。 | ダウンロード |