審査請求ID | 都道府県 | 裁決日 | 要旨 | 裁決書DL |
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7235 | 沖縄県 | 2019-10-01 | 【通院移送費(タクシー利用・調査不尽)】審査請求人の世帯員の知的障害により公共交通機関の利用が困難であるにもかかわらず、この点についての処分庁の状況把握が不十分なまま、タクシー利用を認めないことを前提としてなされた保護変更決定処分は不当であるから取り消されるべきであると判断された事案 | ダウンロード |
7236 | 沖縄県 | 2020-05-13 | 【63条返還(自立更生費の調査、検討)】審査請求人の子の収入が未認定であったことからなされた63条返還処分について、処分の決定過程において自立更生費の控除について調査、検討した形跡は認められず、また、過去に37万9420円の保護費の未支給が確認されていることなどから、同処分は、その判断に合理性があるとは認められず、不当な処分であるとして取り消された事案 | ダウンロード |
7238 | 沖縄県 | 2020-07-15 | 【障害者加算/63条返還】審査請求人の病状が精福手帳の有効期限切れ後においても、同人の障害の程度が障害者加算されるべき状態にあるのに、障害者加算削除処分がなされたところ、精福手帳の期限切れ後の処分庁の対応が説明資任を果たしていない適切さを欠いたものであったことから、当該障害者加算削除処分及び同処分をふまえてなされた63条返還処分がいずれも取り消された事案 | ダウンロード |
7239 | 沖縄県 | 2020-10-01 | 【転居費用不支給決定】転居に伴う費用の負担を行うとする家主の発言は実施機関が転居費用の支給を保留し続ける理由にはならず、通常支給されるはずの転居費用を、新住居の契約が行われた後も支給しないとした本件処分は不当であり、取り消された事案 | ダウンロード |
7240 | 沖縄県 | 2020-10-09 | 【保護申請却下処分(資産活用の忌避/扶養義務の期待)】審査請求人へ住宅ローン返済の支援を行ってきた請求人弟への資産売却は不自然とは言えず、当然の流れとも考えられ、資産活用の忌避とみなすことは困難であり、また、現状において審査請求人の弟から扶養の履行が期待できる状態とは言えないとして、保護申請の却下処分が取り消された事案 | ダウンロード |
7241 | 沖縄県 | 2020-12-14 | 【葬祭扶助(被保護者の遺留金品と葬祭執行扶養義務者への葬祭扶助額)】 処分庁が、弊祭扶助支給対象額から死亡した保護者である義兄の遺留金品150,384円を差し引いた47,944円を葬祭扶助として支給額したこと(本件処分)について、遺留金品は保護の要否及び程度の決定において考慮すべきものであったにとどまり、処分庁が葬祭扶助支給対象額から義兄の遺留金品を全額差し引いた取扱いには根拠が認められないから、本件処分は、違法又は少なくとも不当な処分であると言わざるを得ないとして取り消された事案 |
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7242 | 沖縄県 | 2020-12-16 | 【生活保護申請却下処分(不動産の活用)】本件資産を売却し、売却収入を 審査請求人の生活維持に充てると、同一生計にある長女は住居を失い、生活が直ちに困期することは明らかであるが、このことについて生活保護申請却下処分(本件処分)の前に処分庁が検討した記録はなく、検討しないまま行った本件処分は明らかに不当といえ、取り消されるべきである。 | ダウンロード |
7244 | 沖縄県 | 2021-03-01 | 【収入認定/63条返還】自動車の購入費の援助金を親族から受け取ったものの、自動車の購入のキャンセルに伴い、親族に返還したため、審査請求人の資産が増加したとはいえないにもかかわらず、これを収入として認定してなされた生活保護変更変更決定処分及びこれを前提とする生活保護返還決定処分はいずれも不当であるとして取り消された事案 | ダウンロード |
7245 | 沖縄県 | 2021-03-22 | 【世帯分離解除時の収入認定/63条(自立更生費)】世帯員(次女)が受領した奨学金について、自立更生費の控除等を一切検討することなくその全額の返還を命じた本件処分は、処分庁に世帯分離解除時の収入認定手続に瑕疵があり、不当であるとして取り消された事案 | ダウンロード |
7246 | 沖縄県 | 2021-11-12 | 【63条返還(援助金の目的外使用)】本件費消が目的外使用といえるためには、①請求人が現にクーラーを購入しておらず、かつ、②本件費消により請求人がクーラー入代金相当額を喪失するに至ったことが必要であると解されるところ、処分庁は本件処分時において請求人がクーラーを購入したかどうかについて確認していないとして、請求人が長女からクーラーの購入費として受領した援助金の全額の返還を命じる処分が不当であるとして取り消された事案 | ダウンロード |
7247 | 沖縄県 | 2021-11-26 | 【保護停止/文書による指導指示違反】「自動車の借用・運転を行わないこと」との文書による指導指示は、処理手順も含め十分な検討が尽くされたものとまでは言うことはできず、また、指示事項も見直すべきであったため、妥当性を欠いているものであるから、これに反したことを理由とする保護停止処分も妥当性を欠いたものとして取り消された事案 | ダウンロード |
7248 | 沖縄県 | 2021-11-30 | 【医療移送費(実施機関による独自の支給制限等)】①受診回数の多寡を医療移送費給付の判断基準とする規定はないのに、受診回数を医療移送費給付の判断基準として却下決定したこと、②主治医から「バスの利用可」「バスでもよい」との意見を得ているにもかかわらず、バス料金すら給付しないとの決定をしていること、③本来、処分庁は、通院に係る適正な交通機関等を決定し請求人に示す必要があったのにこれをしていないこと、④書面による教示を行っていないことから、本件医療移送費不支給処分は違法であるとして取り消された事案。 | ダウンロード |
7250 | 大阪府 | 2022-03-04 | 【保有容認目安内の生命保険の解約/63条(自立更生控除の制限)】保有容認の目安内の生命保険であるにもかかわらず解約を求められたうえ、解約後も、処分庁は法63条の自立更生免除の趣旨を説明し、自立更生費の申告を求めてその必要性を調査することが求められていたが、これを行わなかった上、法63条の趣旨及び平成24年課長通知に示された考え方からみて、本件で処分庁が自立更生免除を認めた対象又は範囲は狭きに失し、その判断は合理性を欠くとして原処分を取消す。 | ダウンロード |
7251 | 長崎県 | 2012-03-14 | 【居住用不動産の資産価値積算の誤り/63条積算根拠の誤り/理由付記の違法】処分庁は、保護を開始時点において居住用不動産の資産価値積算を誤り本来保有を認めるべき居住用不動産を、法63条に規定する「資力」と認定し処分させたことは誤りであった。また法63条返還金の積算根拠も誤っており、理由付記も違法。 | ダウンロード |
7252 | 香川県 | 2007-10-25 | 【保護開始時の住宅扶助1か月分の支給】保護申請月である7月の家賃40,000円については、請求人は就労できず、収入がないため未払いであり、実施要領第6-4-(1)-イに定められている日割計算による家賃、間代の額を超えて家賃、間代を必要とするときに該当するといえるから、住宅扶助については、日割ではなく1か月分を支給すべきであり、本件処分は取り消されるべき」(ただし、処分庁は1か月分の家賃を支給することとし、本件処分を取り消し、日割残額を追給して1か月分の家賃を支給したため、本件審査請求は却下とした)。 | ダウンロード |
7254 | 北海道 | 2023-03-15 | 【自動車/指導指示違反による保護廃止後の再申請】障害年金2級の請求人が、前区で自動車の運転を禁止する指導指示違反により保護を廃止された2カ月余り後に転居先の他区で保護を申請したところ、前区での廃止理由及び自動車の保有を理由に申請が却下された。審査庁は、現区で自動車使用の事実は確認できていないこと、「(2カ月余経過しており)廃止後間もなく」ではないこと、通院時の自動車の必要性について聴取していないこと等を理由に原処分を取消した。 | ダウンロード |
7255 | 滋賀県 | 2021-09-07 | 【63条(自立控除)/収入認定/理由付記】①(ある時期まで処分庁は)「株式の保有が認められ利益分のみが収入認定の対象となるかのような説明」をしており、 「複数回、同一口座にて株式の購入と売却が繰り返された場合、株式の売却合計額を単純に加算」すると「株式の売却のたびに資力の増加があったことになり、そもそも被保護者に返還が不能な額の保護費用の返還を求めることになる。」として株式の収入認定に瑕疵があるとした上、②自立更生費用の控除(パソコン関係の費用)が検討されておらす、➂理由付記も違法であるとして原処分を取消した。 |
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7256 | 新潟県 | 2022-02-25 | 【特別基準(冬季加算)】処分庁は「確定された事実からは、審査請求人に冬季加算の特別基準を適用する必要性が認められるか否かが判断できない状況であったといえることから、審査請求人の外出が著しく困難であり常時在宅せざるを得ない状態にあるか否かを判断するために、審査請求人宅を訪問する等して、その生活実態(冬季における在宅時間や光熱費等)や電動車イスを利用して外出する頻度及び態様を調査し、また、居住地域の道路状況等を踏まえた電動車イスを利用した場合の外出の可否等について主治医に再度意見を求める等の調査をすべきであった」が調査を実施した事実が認められない。よって、裁量権を逸脱濫用したものとして違法」とした。 | ダウンロード |
7257 | 宮城県 | 2022-04-19 | 【家具什器(暖房器具)】「請求人は令和元年10月に火災に遭い、それ以降、初めて到来する冬季加算が認定される月である同年11月において、最低生活に直接必要な暖房器具の持ち合わせがない状態であったと認められ、暖房器具の購入に要する費用を認定することが適当であった」として原処分を取消した。 | ダウンロード |
7258 | 宮城県 | 2022-04-19 | 【家具什器(エアコン)】処分庁は、請求人はもともとエアコンをもっておらず冷風機しか所持していなかったこと、また局長通知では火災により失った冷房器具がエアコンに限定されるとしておらず、エアコンの支給をしない理由はないとして原処分を取消した。 | ダウンロード |
7260 | 新潟県 | 2022-10-19 | 【他県の医療機関/検診命令(診断書料)】(医療扶助について)隣県のAクリニックよりも近距離に慢性疲労症候群の適切な診療を行うことのできる医療機関が存在せず、同院で適切な診療を行うことが可能ならば、自宅から250㌔離れていても同院は「要保護者の居住地等に比較的近距離に所在する指定医療機関」に該当する。処分庁は、「審査請求人の自宅からよりも近距離に適切な診察·治療を行うことができる医療機関が存在するか否かを慎重に検討するべきであった」がそれらがなされていないとして原処分を取消した。(障害者手帳申請のための診断書料〔検診命令〕について)法28条1項は実施機関に検診命令を発令する権限を付与する規定であって、要保護者に検診命令の申請権はないとして、審査請求を棄却した。 | ダウンロード |
7261 | 兵庫県 | 2022-12-21 | 【保護費の3カ月超遡及支給】「預金通帳には審査請求人の母が(地代)未支給期間においても地代を振込みにより支払っていたことが記録されているのであるから、地代相当額を住宅扶助費として支給すべきものであった」(略)本件は、処分庁が適切に調査を実施しなかったため、処分庁は、地代の支払いの事実を的確に把握できなかったものであり、住宅扶助費の不支給は処分庁の認定誤りによるものであると解さざるを得ず、取消を免れない。 「4 付言 処分庁は(略)当該追加支給される扶助費が、審査請求人の自立更生に充てられるよう適切に助言指導することが強く望まれる。」 |
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7262 | 東京都 | 2023-05-22 | 【重度障害者加算/理由付記】重度障害者加算につき、常時の介護を要しないとして不支給として原処分について、主治医が常時の介護を要すると処分後に判断していることからして、原処分の調査不十分を認めるとともに、理由付記(「重度障害者加算の削除による。」)の違法を認め、取消した裁決 | ダウンロード |
7263 | 大阪府 | 2021-03-26 | 【母が勝手に請求人名義で貯めていた貯金/法78条】「請求人は、処分庁の助言にも従い、本件貯金の存在を知りつつ故意にこれを隠蔽し、処分庁の判断を誤らせようとするような不正の意図がないことを自ら積極的に立証すべく行動しており、請求人があえて事実の提示を忌避しているとみることはできない。」とした上で、「一方で、解約された本件貯金が、請求人により他の請求人口座に移され秘匿された等、請求人が不当又は不正に保護を受給したことをうかがわせる事実は立証されていない」として原処分を取消した。 | ダウンロード |
7264 | 東京都 | 2024-06-03 | 【府中市長決定】「請求人が、申告義務があることを認識していたと断定することはできず、本件入金を認識していたと断定することも困難であり、処分庁において、前提となる事実関係は立証されていない」として「積極的に虚偽の事実を申請したとも、消極的に真実を隠ぺいしたともいえない」として法78条決定を取消した例 | ダウンロード |
7265 | 岩手県 | 2024-02-09 | 【精神障害者手帳に基づく加算認定過誤を理由とする法63条返還】処分庁には、判例に従い、請求人の健康状態も含む諸事情の調査の不備、分割返還が最低生活に及ぼす影響、自立疎外のおそれ具体的に検討をした形跡がないこと等、返還額から控除できる場合を限定する平成24年課長通知及び問答集のみに沿ったような今回の処分庁の調査及び検討は、法第1条の規定や法第63条の趣旨からして不十分。また、誤った加算認定が長期間に及び、多額に至り、その経緯から、審査請求人に帰責する事由は認められず、このことも諸事情の調査等において考慮されるべきとして請求認容。 | ダウンロード |
7266 | 千葉県 | 2024-01-11 | 【精神障害者手帳による加算が過誤だったとする63条返還】返還により「自立を著しく阻害する場合には、保護の実施機関が、自立更生費に限らず、一定額を控除して返還額を決定することも可能(福岡地裁平成26年3月11日判決)」。(請求人は)支給された保護費を正当な額であるとして信頼して生活費に費消しており、返還額も高額である。「(処分庁は)請求人世帯の生活実態、過大支給額の使途等についての調査を行い、本件処分をした場合に請求人世帯における生活にいかなる影響がでるかについて具体的に検討すべき」「分割返納であればそれだけで常に被保護世帯の自立を阻害することはないといえる根拠はな」いとして請求認容。 | ダウンロード |